先日、私の瞑想の先生の一人、インド人の先生と話していて、なるほど!と思ったことがありました。
それは、「多くの人は、家の中に"寝る"ための場所はあるけど、"目覚める"ための場所はないですよね。」という指摘でした。
"目覚める"というのは英語では"awaken"で「迷いが去って正しい認識ができるようになる」という意味で、ここで「"目覚める"ための場所」とはつまり「"瞑想する"ための場所」のことです。
確かに、ベッドを持っている方はいつも”寝る”ための場所が家の中にありますね。
布団で寝ている方でも、どこに布団を敷くか決まっている方が多いかもしれません。
そして、疲れた時や夜寝る時、ベッドや布団に横になると、自然とスイッチがオフになってくつろいだ気持ちになるのではないかと思います。
このように、その場所に行くだけで自然とそのモードに入る場所は他にもあると思います。
例えば、勉強机で勉強する方は勉強机の前に座ると気分がしゃきっとして頭が働きだすとか、ソファを持っている方はソファに座るとすぐにリラックスした気分になるとか。
また、神社に行くと敬虔な気持ちになるとか、図書館に行くと少し真面目な気持ちになるとか。
もちろん、ベッドは快適に寝られるように作られていますし、勉強机も効率的に勉強ができるように設計されています。
神社の鳥居や本殿を目にすると神聖な場所に来ているとおのずと感じられますし、図書館にずらっと並んでいる本や読書や勉強にいそしんでいる人たちを目にすると知的好奇心が駆り立てられるのを感じるかもしれません。
このように、物や建物やその場にいる人々が、気持ちに影響を与えるということはよくあると思います。
それに加えて、その行動を繰り返しているうちにその場に向かうだけでその気持ちが湧いてくるようになる。という体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
「瞑想をする」と聞くと、日常生活から離れた特別なことをするようでハードルが高いように感じる。というお声を耳にすることがよくあります。
ですが、家の中に"寝る"ための場所があるように"目覚める"ための場所も作ると、ハードルがぐんと下がります。
まず、場所がすでに準備されていますから、思い立ったらいつでも始めることができます。
瞑想をする時に必要な物や瞑想を思い出させてくれる物、例えば、瞑想用ブランケットやクッションなど、人によってはお香や仏像やお花なども置いておくと、瞑想に入るのをさらに助けてくれます。
また、同じ場所で瞑想を繰り返していると、その場に向かうだけで自然と瞑想モードに入るということも起こりやすくなります。
広いスペースは必要ありません。
私は、部屋の片隅に瞑想用のベルとクッションとブランケットを置いていて、いつでも瞑想が始められるようにしています。
物理的に瞑想のためのスペースを確保すると、不思議ですが自分の意識の中にも瞑想のスペースが現れてくるように感じますので、皆様もぜひ瞑想のためのスペースを作ってみてください。